■編集に寄せて
 養護学校は教科書で授業しているわけではないので、授業の内容も変化しやすいし、時にはすっかり風景が変わってしまうこともある。

   特に人事異動というのは影響力がある。私たちも、三月の異動でS先生が去ればそれは雪男の「ウ−タン」との別れになり、O先生が去れば奇妙なダンスをする「コチョコチョ星人」との別れになった。

 けれど、この本を手にした人たちから、新しい「ボンゴ」が生まれたらどんなに楽しいだろうか。「ウ−タン」や「コチョコチョ星人」も消えたのではなく新しい土地へ旅立ったわけだから・・・。そして、子どもが大好きな新しい友だちが増えていくかもしれない。

 集会活動に参加した交流校の子どもたちの笑顔を思うと、障害児教育の枠を超えて、子どもが元気になるパワ−があったような気もする。

 そんなわけで、始めは実践の紹介だけと思っていたが、進めるうちにその背景となる思いや考えもまとめようということになった。

 学ぶとか、遊びとか、成長とか、実践の中でつかみ取ってきた教育にかかわるいろいろなことをこの世界を知らない人にも伝えたい、そう思った。
 

 子どもや実践の話はいつでも楽しく私たちの力の源となっている。共に実践し考える「仲間」との交流が広がり深まることは、大きな喜びなのだ。今この本がきっかけとなり、一人でも多くの人に話をきけたらどんなに楽しいだろうかと考える。今後、これがどういう形に発展していくのか、とても楽しみなのである。


 子どもたちの笑顔がさらに輝きますように。