2.教科への取り組み
(4)りんごグループ
 ことばをコミュニケーションの手段として使うことができ、ことばで行動を調整できてくるグループです。
 
 感情面でも、これまでのグループは不快となると、自分のパターンからなかなかぬけられず、いつまでも不安定な気持ちをひきずっていきがちですが、このグループになると、いろいろと先生との葛藤はあるのですが、結局は自分の力でそれを抜け出していくという感情を切り替える力も育ってきます。
 また、ことばで期待をもつことができ、伝える表現方法は、未熟な面はあっても相手とのやりとりが楽しめ、よく考えて応えることができますし、仲間とのやりとりも楽しめるようになってくるグループです。

 これまでのグループでは、どちらかというと何を教材にして指導していったらよいのかと教材探しに迷いますが、このグループは、集団指導がある程度可能となり指導すべき内容も増え、逆に学校の限られた授業の中でどれを焦点にして指導するのか悩むグループでもあります。

 もっていることばを駆使して表現力や理解力を伸ばしていくグループですが、なお共通した課題は、ことばの理解を拡げ、イメージを拡げながらことばを含めた様々な表現をする力を伸ばしていくことにあります。ことばの力は、イメージの力を豊かにしていくことで育ち、それは伝えたい思いを膨らませること、表現したい思いをふくらませていくことで伸びていきます。
 ですから、どの授業でも常に基本においていることは、
・ことばやお話を聞いてイメージを膨らませたり、そのイメージをより豊か にしていくこと
・自分の気持ちや体験を簡単なことばや様々な表現法方で伝えること
・更には、相手の言っていることを受けとめよく考えて応えられるようになることなどです。


 これから紹介する実践は、劇遊びを中心としたものです。
 このグループは自分の中に言葉のイメージがもてるので、先生の読む一冊の本に目を輝かせて集まり、絵を見たり話を聞いてイメージを膨らませて楽しみます。そして、ストーリー全体を捉える力もついていきます。
  しかし、ことばだけが一人歩きしてしまい、ことば遊び的なやりとりに終始しがちでもあります。授業を通して、少しでもことばを生きたものにし、様々な面で生き生きと人とのコミュニケーションを拡げていってほしいと思っています。
 また、ここには載せませんでしたが、数や文字、音楽、図工、体育などの指導もしています。特に数や文字については、個人差が激しく共通課題を考えた場合、その存在にふれる程度にとどめざるを得ません。必要に応じ、クラスと連携して他の時間に個別指導として特設することもあります。

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