参考1 時期のおさえ |
小学部・前期 |
◎特徴 基本的な生活習慣(睡眠、食事、排泄など)がまだ確立されておらず、身体的には機能的な未熟さがあります。初めてのことには自信がなかったり興味が向かわない反面、新しく経験したことを取り組むことができる柔軟性や吸収力もあります。精神的には、経験不足や状況を理解する力が育ちきれていないために自己中心的になることが多いです。また自分の思いをうまく表現できず、自分の感情や行動をコントロールすることが下手です。そのため、大人からの働きかけを受け入れられなかったり、友達とぶつかる姿も多く見られます。ゆえに、日常のあらゆる面で大人の援助を必要とします。 つまり、小学部前期とは大人の援助に支えられながら、様々なあそびや体験、人との関わりを通して、自らの生活の主人公としての土台を作っていく時期です。 ◎おさえておきたいこと 学校生活の入口であるこの時期は、学校教育の土台づくりでもあります。さまざまな教育暦をもち、発達的にも幅は広く障害に関しての可能性を持ちつつも「問題行動」が強まり始める時期でもあるため、これまでの生活や課題を見直して、「問題行動」を発達要求としてとらえ、しっかりとした取り組みをすすめることが肝心です。 また、学校教育の入口ということで、特に保護者との連携に留意して信頼関係の樹立に向けた、細やかな配慮が大切となります。 ◎課題 学校生活に慣れ、基礎的な生活習慣や生活リズムを作ること ・睡眠:寝る、起きるの時間の定着。睡眠時間の確保など ・食事:一日3回しっかりと。偏食の指導は、あせらずゆっくりと。でも確実に ・排泄:定時排泄。サインを出す、教える、自分で行く 体の土台づくりをすること 健康づくり、基礎体力づくり、運動能力や感覚反応の向上など。高学年以降の身体の成長や障害の状況を見通して、取り組みを進める必要があります。 大好きな大人をつくり、人とのかかわりを拡げること 大好きな大人と一緒に仲間との活動をつくったり、活動をいろいろ広げられる時期です。人との共感関係をつくり、人とのかかわりを豊かにしていき、大人との信頼関係をしっかりつけ、意欲を育てていくことが、生活の力や教科学習に向かう力やことばの土台となります。 ・子どもの大好きなくすぐり、手遊びをたくさんやってあげ、一緒に楽しむ ・好きな遊びを一緒に楽しむことで、共感関係を深める。好きな人をつくる 学習への基礎づくりをすること ・さまざまなことへの意欲を育て、学習へ向かう気持ちを育てます。楽しい体験の中で「やって」「もう一回」の要求を出す気持ちを育てる あそびを拡げること ・具体的に小さいうちにいっぱい動かしてあげる 大きな揺さぶり、かっちんこ、肩車、ぐるぐるまわり等 ・一人遊びばかりではなく、人を介してあそびをたくさん楽しむ。好きなあそびをつくる いろいろな体験を増やすこと ・大人を支えにいろいろな体験を通して、興味関心をひろげる ・「なんだろう?」という好奇心や「やってみたい」という要求がだせるようになる |
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