第2部 実践あれこれ
2.教科への取り組み
 クラスで朝の会をした後は、教科学習として「発達課題別グループ学習」が組まれています。
 子どもの発達はやはり、しっかりした課題をとらえた指導の中で促されます。どの子もクラスではみせない(?)真剣さと頑張りをみせています。

 どんなに障害が重くとも、教科へつながる力をつけていくことは大切です。私たちの学校では、クラスは様々な発達段階の子どもたちで編成していますので、「教科」は同一の発達課題をもつ子どもたちのグループに分かれて学習しています。
 そこでは、発達を促す上で最重点となる学習を集中的に行なっています。
どの時間をあてるのか、学校の状況によって違うと思いますが、私たちは、月曜日〜木曜日までの4日間午前中の同じ時間帯をあてています。子どもたちが、一番集中しやすいゴールデンタイムを連日あてていることになります。私たちの総力をあげての取り組みでもあります。

 外遊びや体操をして、身も心もリラックスした後、クラスで朝の会をやり「さて、これからおべんきょうだよ。」「がんばってね」と、それぞれのグループの教室に出かけていきます。「今日は、どんな楽しいことが待っているのかな?」と、どの子も元気に出かけていきます。中には、まだ自分のグループがわからない子もいます。お友だちが連れていったり、先生が直接お迎えにいったりですが、いつもの"おべんきょうの先生"に会うと本当に嬉しそうな笑顔です。どの子もこの時間を楽しみにしています。

 授業の構成などはそれぞれのグループで違いますが、どのグループでも音楽やスポットライトなどを効果的に使い、子どもの力をより引き出せるようにと考えています。特に音楽は、子どもたちの判断材料のひとつとして使っているので、その活動に合うものを選び、数曲を組み合わせたり曲の速さを調節したりなど、編集して使うことも多いです。

 子どもたちの発達の様子から「さくらんぼ」「みかん」「れもん」「りんご」という名前でグループを編成しています。
 特に、「さくらんぼ」「みかん」の課題をひきずっている子が多いです。そこのおさえなしには、「れもん」「りんご」の指導もありえませんので、この部分の説明は少し念入りにしました。
         ※詳しいグループの特徴は、「参考」をご覧になって下さい。

(1)さくらんぼ 人との関わりや活動の楽しさを拡げる時期の子たち
(2)みかん 意味をもった行動や表現を拡げる時期の子たち
(3)れもん 言語獲得期の子たち
(4)りんご 言語〜文字獲得期の子たち
                        全項目一覧     トップページ