参考1 時期のおさえ
中学部
◎特徴
 思春期のまっただ中です。強い自己主張(第二次反抗期)、ゆれる自我(精神的な不安定さ)、葛藤、喜怒哀楽、第二次性徴などがみられます。この時期を過ごす多くの子どもたちは心身ともに急激な変化を迎え、子どもから大人への転換期といえます。自我の確立に向けた移行が始まります。
興味・関心の拡がり、見る力、聞く力が伸び、自分のものとして取り込む力が伸びます。また身長の伸びだけではなく筋力、体力、持久力もついてきます。そのことにより、今まで困難だった力仕事が可能になり、活動に広がりがでてきます。
こうした変化は「自分で」という行動を後押し、大人を頼りとしていた存在から一歩を踏み出すとともに、一緒に学ぶ仲間や集団にも目が向くようになります。

◎おさえておきたいこと
 精神的には親離れ、子離れをする時期です。子どもの「自分で」という要求は、大人のようにやりたい、子ども扱いされたくないという自立したい要求としてさらに高まります。
 むしろ、親の方が子離れできないことが多いようです。一人で風呂に入る、一人で寝る、起きる、家の中での仕事やおつかいなど、他の人の役に立っている自分の発見をするなど、「自分でできることは自分で」の精神で見直すことが大切です。ちょっと離れた視点で子育てを見直すことは、自己決定する力をつけることにもつながります。それは、子どもが自分自身をみつめなおし、これまでに培ってきた力を再編成し、自分を再形成して青年期に向けての準備をすることにもつながります。障害があると、いつまでも子ども扱いしがちですが、生活年齢も考えれば、むしろそういう力を育て応援できるようにしていかなくてはならないと思います。
 また、体格の変化、風貌の変化は本人が意識するしないにかかわらず、人や社会とのかかわりにおいて社会的・文化的に制約される側面を持ちます。そのため、人間関係の質的変化も起こります。今までの子育てや教育で、うまくいっていない部分が表に現れてくることもありますので、もう一度、取り組みの見直しをして、将来の生活の主体者として生きていける力をつけることを意識していきたいです。
 
◎課題
大きくなりたい自分への肯定感を育てる取り組みをすること
・ 内面の育ちがあり、あんなふうになりたいという気持ちから発展させるようにする
・ 家の中での「自分」の位置をつくる
例えば、○○くんの仕事(思い切ってまかせてみる)
→いっぱいほめて自尊心の育ちへつなげる
  
社会生活を送る準備をすること
 青年としての人との関わり方を身につけることが必要になります。
こころとからだの変化が、社会的に見ると喜べない現象としてさまざまな形で現れてくること
への修正をする
 例えば ・人前でパンツを下ろしてトイレに行く。
・小便、大便の便器の使い方
・性器いじりをする
・人前で裸になる
・頑固で暴力的になる
・パニックが多くなる
・新たなこだわりが出てくる
・発作が現れる、多くなる
・気持ちが不安定で扱いにくくなる
 
自己決定と自己コントロールの力をつけること

学ぶ要求、自分の気持ちをコントロールする力をつけること
 ・いっぱいあそんで、からだづくりもできてきて興味・関心が広がってきた時期に、文字学習に入ると3年間で文を獲得するまでの力を発揮することがある
 ・大きな自分になりたいという気持ちも広がり、ほめられることで、また学習意欲がでる。自分の気持ちを理屈で納得させ我慢させる力もついてくる

将来に向けて、好きな遊びを見つけ、いっぱい遊ぶこと
 ・得意な分野で好きな遊びを拡げる。好きなからだを使った遊びが楽しいという経験を充分に。
からだ作りをすること
 ・体を動かしきること
・将来の生活の余暇につながるものをみつけていく
 
集団への位置づけがされること
 係活動などで集団での役割を担う

自己肯定感をもてるようにすること
 ・心身ともに変化する自分自身と周りとの関わり方の変化を受け入れる

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